酵素ラボの想い

杉の浴槽には発酵した糠が凝縮されている。
そこは目に見えない微生物の世界。
微生物も人間同様、生きながら熱を発している。
我々は糠床を攪拌し、微生物が生きる手伝いをするだけ。
私たちは微生物の生きる証である発酵熱を拝借し
身体に取り込むことで自身の健康を維持し
快適な眠りを得ることができる。
酵素風呂に入ることは糠の中で微生物の
生命を吸収すること。
酵素風呂屋の仕事は微生物の声を聴き、
酵素が生きやすい環境を作ってあげること。
毎日の手入れを一切手を抜かずに行う。
生命に感謝する。
毎日の手入れは同じことの繰り返しかもしれない。
しかし、酵素に愛情を持って接すると
微生物は毎日違う顔を見せてくれる。
微生物は私たちに生き方を教えてくれる。
目の前にあるものごとは、
いつも同じではなく、日々変化している。
そう想うと当たり前のように感じていた
酵素の温かさや熱気が
プリミティブな生命の源として、
とてつもなく価値のあるものに感じてくる。
私たちが酵素に身を預けるとき、
伝わってくる酵素の温もりが、
微生物たちの優しい励ましにも聞こえてくる。
大袈裟かもしれないが、
毎日「生きている」のでなく
何かによって「生かされている」ということに
気づく特別な時間に感じられるように思う。